◆ 資金繰りとは資金収支のバランスを取ること
資金繰りとは足りなくなった資金を銀行融資や個人借入で補い「支払資金がショートしないようにすること」と捉えている方が多いようです。

短期的に資金が足りなくならないように資金繰り表を作り、当座の資金が足りなければ金融機関から借り入れをすることが資金繰りと捉えている人が少なくないようです。

資金繰り表を作成することや当座の資金管理も金融機関から借入れできるようにすることも大切ですが、資金繰りは会社経営をする上でもっとも大事な活動の一つとして捉える必要があります。

会社の最大の目的はゴーイングコンサーンです。
継続して存続してくことです。

その為には利益を出して、会社を倒産させないことです。

会社の存続は、小手先の節税を考える前に利益を出し当座資金を増やし、資金を管理し、無理のない投資を行って会社を成長させることによって達成することができます。

会社の継続的な成長は資金繰りが上手にいって初めて成し得ることです。

その為、企業経営は資金繰りに始まって資金繰りに終わると言っても過言ではありません。
資金繰りはそれほど会社の経営にとって重要で本質的なことなのです。
それ故資金繰りの改善は、一夜にして出来るものではないことを自覚する必要があります。

その為に資金繰りにうまく行っていない経営者は、どうすれば資金繰りが改善し会社に資金が蓄積されるようになるのかを理解し、改善していこうという強い意志をもつことが大切です。

 


◆ 資金繰り改善の方法

その1 入金管理や在庫管理を徹底する

① 毎日の預金残高を把握する
② 回収サイクルを早くし売上債権の残高を減らす
③ 売掛金管理を徹底する
④ 入金チェックは必ず行う
⑤ 支払が悪い会社には支払が遅れたら毎日督促を入れる
⑥ 受取手形を減らし、高額な受取手形は小額分割して受け取る
⑦ 受取手形のファクタリングを利用する
⑧ 得意先の信用状況を定期的にチェックする
⑨ 支払い条件の交渉をして手形から振込入金に変更してもらう
⑩ 在庫を減らせば資金繰りがラクになる
⑪ 過剰在庫・不良在庫の原因を調べる
⑫ 売上高至上主義から利益至上主義への変換を図る
⑬ 売れ残り在庫はすぐ処分する
⑭ 在庫管理の徹底を行い売れ筋商品の把握に勤める
⑮ 遊休資産を処分する
⑯ 自社ビル、自社店舗・工場を売却し貸事務所、貸店舗、貸工場を利用する
⑰ 前受金をもらえるビジネスモデルを考える
⑱ FC展開を図りビジネスモデルを売る
⑲ 設備投資は長期返済が可能な借り入れで賄う
⑳ 設備投資には短期借入金を使用しない


その2 支払を改善する

① 仕入債務は売掛債権の回収が出来てから支払う
② 手形の裏書で支払いをする
③ 仕入債務の支払いを出来るだけ伸ばすように交渉する
④ 支払手形は使用しない
⑤ 支払期限が来ているものを交渉で延ばす
⑥ 管理部門の合理化で据置払いを利用する
⑦ 少人数私募債を利用する
⑧ 当座借越を上手に利用する
⑨ 短期借金から長期借入金に移行する
⑩ 銀行とは良好な関係を保つ
⑪ 定期的に借入金の口座別返済予定表を作成する
⑫ 貸し渋りを受けた場合でも何度も交渉する
⑬ 公的融資制度を活用する
⑭ 最新の公的融資情報を収集しする
⑮ 融資が受けやすい融資申請書類を作成せする
⑯ メインバンクに融資を断られたら可能な限りの銀行の窓口をあたる
⑰ 管理部門をアウトソーシングして経費を節約する
⑱ 固定費の見直しをして経費削減をする
⑲ 資産を減らして資産維持費を減らす
⑳ 合理化がすべて


その3 資金を増やす

① 利益を増やす。これがすべて。
② リース取引を利用する
③ リースバックを利用する
④ 資金繰りに合理的な節税して資金を確保する
⑤ 受託販売を行い在庫を持たない
⑥ 原材料の仕入では使用高払いを利用する
⑦ 原価計算は必ず行う
⑧ 適当な売価設定は辞める
⑨ 高額商品を売る
⑩ 利益の薄い商品からの撤退
⑪ 補助金・助成金を利用する
⑫ 代理店契約などフルコミションの外注営業を増やす
⑬ 生命保険などの当面必要無い見直しをする

その4 その他


① 倒産防止共済に加入しておく
② 不渡りになりそうになったら依頼返却を頼む
③ 借入金の返済をストップしリスケを行う
④ 融通手形の使用は絶対ダメ
⑤ 闇金や街金に手を出してはいけない。倒産したら悲惨なことになる。


 

◆ 少人数私募債とは?                 
 

少人数私募債とは、親族や取引先などの縁故者から直接的に資金提供を受けるための制度で、償還期間や利率を自由に決められる社債のことを言います。

 

少人数私募債は、中小企業が時間と経費をかけずに簡単に発行できる社債であるため銀行融資やベンチャーキャピタルからの出資といった一般的な資金調達に比べて様々なメリットがあります。

◆ 少人数私募債のメリット 

 

1.担保や保証人が不要。


2.自由に期日を決定でき期日一括償還のため長期投資の為の資金調達に向いている。 

3.直接融資のため銀行借入よりも企業の信用力を毀損しない。

4.少人数私募債の引受者に支払う利息は損金扱い。

5.少人数私募債引受者が受け取るは利息は「利子所得」扱いとなり20.315%(復興特別所得税含む)の源泉分離課税で課税関係が終了する。所得が高い人は節税メリットがある。役員が会社に貸す貸付金を「個人貸付」から「社債」に切り替えることで利子収入に対する節税メリットがある。

*税制改正により、平成28年1月1日以後に支払われる利子については「総合課税」とすることとされました。平成27年分までの利子については、現行どおり、分離課税が適用されます。

6.増資の場合には会社倒産時には出資した株の価値はゼロとなってしまうが、少人数私募債の場合には会社に対する債権となりますので、債権者として権利を主張することができます。

◆ 少人数私募債に対する利子補助金もある  

会社が所在する区や市では、少人数私募債を発行する場合に引受者に支払う利子に対して補助金をくれる制度が設けられている場合があります。

これらの制度をうまく使って少人数私募債を発行してみてはいかがでしょう。  

新規事業者が受けられる日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の融資

(平成19年5月1日現在)

新規事業者が受けられる日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の融資をご紹介します。

<無担保・無保証人で利用できる融資>

新創業融資制度

融資金額 1,000万円以内

返済期間

(内据置期間)

設備資金7年以内(据置6か月以内)
運転資金5年以内(据置6か月以内)
この融資を受けられる方 次の1から3のすべてに当てはまる方

1.新規事業者や事業開始後2期以内の事業者
2.自分が始める事業で6年以上の経験があること等
3.創業資金の3分の1以上を自己資金で用意できる
利率 基準金利に1.2%の上乗せ

<連帯保証人、担保が必要な融資>


新規開業資金

融資金額 運転資金4,800万円以内
設備資金7,200万円以内

返済期間

(内据置期間)

運転資金5年以内  特に必要な場合は7年以内
(据置1年以内)
設備資金15年以内(据置3年以内)
この融資を受けられる方 ・自分が始める事業で6年以上の経験があること等
・技術サービス等に工夫を加えた様々なニーズに対応する事業を始める方
・雇用の創出を伴う事業を始める方
・上記の要件を満たし事業開始後おおむね5年以内の方

女性若者シニア起業家資金

融資金額 運転資金4,800万円以内
設備資金7,200万円以内
返済期間(内据置期間) 運転資金5年以内  特に必要な場合は7年以内
(据置1年以内)
設備資金15年以内(据置2年以内)
融資を受けられる方 女性または30歳未満か55歳以上の方で、新規事業者または事業開始後おおむね5年以内の方

 

普通貸付

融資金額 4,800万円以内

返済期間

(内据置期間)

運転資金5年以内  特に必要な場合は7年以内
(据置1年以内)
設備資金10年以内(据置2年以内)
融資を受けられる方 ほとんどの業種の方
(受けられない方は、金融業、投機的事業、一部の有興娯楽業などの業種の方)

 

食品貸付

融資金額 7,200万円以内
返済期間(内据置期間) 13年以内(据置2年以内)
新規開業支援設備資金等に該当する場合15年以内
(据置3年以内)
融資を受けられる方 次の業種の方
・青果、魚介類、米穀、酒類、乳類、茶、パン・菓子、料理品、総合食料品、花きの小売業
・食品の製造小売業

生活衛生貸付

融資金額

一般貸付(設備資金)
7,200万円以内〜4億円以内

振興事業貸付 
運転資金 5,700万円以内
設備資金 1億5,000万円以内〜7億2,000万円以内

返済期間

(内据置期間)

一般貸付(設備資金)

13年以内(据置1年以内)
独立開業に該当する場合には15年以内(据置1年以内)

振興事業貸付
運転資金 
5年以内  特に必要な場合は7年以内(据置1年以内)
設備資金 
18年以内(据置2年以内)

融資を受けられる方 次の業種の方
飲食店営業、喫茶店営業、食肉販売業、食鳥肉販売業、 氷雪販売業、理容業、美容業、公衆浴場業、旅館業、興行場営業、クリーニング業

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