民事再生法の申請時・決定時の貸倒処理


建設業などを中心に多額の債務を抱えて倒産してしまう会社が増えてきました。

負債を免除してもらえれば経営が再建できそうな会社では、民事再生を申請し再建を果たそうとする場合もあります。

取引先が民事再生を申請し、この取引先に売掛債権がある場合には民事再生の申請で貸倒処理ができるのでしょうか?

答え

民事再生の申請だけでは貸倒処理は認められていません。

民事再生計画の認可が決定しないと貸倒処理はできないことになっています。

残念ながら民事再生や会社更生の申請があっただけでは貸倒処理はできないのです。

上記は「法律上の貸倒れ基準」による判定です。


もうひとつの基準として「形式的な基準」として貸倒処理ができる場合があります

それは次のような場合です。

この基準が適用できるのは継続取引がある売掛債権に限られます。

またもう一つの適用の要件としては、その売掛債権の額から1円(備忘価額)を控除した残額を貸倒れとして損金経理をすることが要件となっています。

(1)  継続的取引停止を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、取引停止した場合において、その取引停止の時又は最後の弁済の時のうち最も遅い時か ら1年以上経過したとき。  ただし、その売掛債権について担保物のある場合はその担保を処分してからでないとこの基準は適用できません。

(2)  同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合


です。

「形式的な貸倒」の適用にあたっては税務調査時に問題となり易いので顧問税理士の判断を仰ぐのが好ましいでしょう。


では何も費用として処理することはできないのでしょうか?

いいえできます。

貸倒引当金を計上することで一部費用として処理することが出来ます

民事再生や会社更生の申請があれば形式基準で債権額の50%計上が認められますので貸倒引当金を計上しましょう。


その後、民事再生計画の認可の決定が有った時点で貸倒引当金を戻し入れて収益に計上します。

この決定があった時点で初めて切り捨てられた債権額が確定しますので、その切り捨てられた債権額を貸倒損失として計上することになります。



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